「理解者」になるために重要なことは「相手の話をきくこと」ということは繰り返しお伝えしてきました。
どんな内容であれ、まずは相手の言い分を否定せず、口を挟まず、しっかりと聞き切ることはとても大切のです。
ただ、ひたすら受け身で耳を傾ける、ということではないという点は注意しましょう。
コーチングには「白紙の立場で」「中道」という点が大事なのです。要は物事をきちんと知ることです。
相手の言い分をしっかり理解しないまま、反論や意見を加えても上手なコミュニケーションは成り立ちません。だから、「聴く」のであって、それをすべて受け入れるということではなく、しかし、相手は「自分のことをよくわかってくれている」と相手が思える存在になるということです。
まさに「中道」ですね。
相手にきちんと言葉を届けたいのなら、相手の意見を聴き切って、相手を知ってから適切な言葉を伝えた方がうまくいきます。たとえ、ネガティブな話でも、愚痴や文句にしか思えなくても、聞き切る価値は必ずあります。
例えば、
子供が、学校の行事のグループの話し合いで困っていたとします。
〇〇ちゃんは、人の話をきかない、▶▶ちゃんはこうしたいけど◆◆は、全部自分の思う通りにしようとする・・・などなど。
それは、全部一度は聞きます。
子供の心のごちゃごちゃを一度は受け止めてあげて、次にそれを整理する言葉がけをすることが大事です。
「なるほど~。〇〇ちゃんは、どう伝えたら聴いてくれると思う?」
「▶▶ちゃんが、本当にしたいことってなんなのかなあ。」
「◆◆は、どういうふうにしたいのかなあ」
などです。
そして、最後に「あなたはどうしたいの?」と聞くことが肝要です。
ここまで来てお分かりいただけましたでしょうか?
・相手の話を否定せずに聞くのは、のびのびと考えさせるため
・聴き手に対する必要のない反発をおさえて、自分自身の思考に集中させるため
なのです。
愚痴や不満を話してもらうことによって、相手の状況を理解すると同時に、実はその裏に本人も気づかぬ改善意識や理想の未来像が潜んでいるのです。