問題が難しいとやりたがらない子ー「こちこちマインドセット」
難しい問題ほど目を輝かせる子ー「しなやかマインドセット」
一度の失敗でもうだめだと落ち込む人ー「こちこちマインドセット」
失敗すると何がいけなかったのか落ち込む人ー「しなやかマインドセット」
自分のマインドセットはどちらでしょう?
物事が順調に進んでいる、いわゆる「順境」のときは、どちらのマインドセットの人も同じくらい自信にあふれていて、楽天的で、快活です。
しかし、ひとたび逆境に陥ったときに、その人の本質が出ます。
キャロル・S・ドゥェック教授は、次のような状況を思い描いて考えることを提示しています。
朝、授業に出席する。自分にとって極めて重要で、しかも大好きな科目。ところが、返された中間試験の成績がC+だったので、すっかり落ち込んでしまう。夕方、帰宅しようとして車に戻ると、駐車違反のチケットが切られている。ガックリ来たあなたは親友に話をきいてもらおうと電話をかけるが、なんだかそっけなくあしらわれてしまう。
このような時に、どんな風に考えるか、どんな気持ちになるか、どんな行動に出るかで自分のマインドセットがわかるのです。
・拒絶されているような気がする
・自分は完全にダメな人間
・負け犬
・価値のない最低の人間
・ろくでなし
その日の出来事で、自分の能力や価値が決まってしまったように感じるのが「こちこちマインドセット」の人です。
何かにつまづくと、
「コツコツ地道に努力するなんて、まっぴら」
「何もしない」
「ベッドに寝転がる」
「やけ酒を飲む」
「やけ食いをする」
「八つ当たりする」
「部屋にこもる」
「音楽にふける」
「することなんてあるものか」
と、自分はもうだめ、どうにもならないと思ってしまいます。
皆さんはどうでしょうか?
それでは、「しなやかマインドセット」の人はどう考えるでしょうか。
・もっと、しっかり勉強しなくては。
・車を停めるときは注意しよう
・友人には何か都合があったにちがいない
と考え、
「気持ちを切り替えて次の試験に備える。あるいは、勉強の仕方を変えてみる。罰金を払い、今度友人に会ったときに、何があったのか尋ねてみる」
「試験のどこがまずかったのかを突き止めて、弱点を克服し、罰金を払い、また友達に連絡をしてみる」
という行動をとります。
嫌なことがあれば、だれでも落ち込みます。それは普通ですが、「しなやかマインドセット」の人は、自分をだめだと決めつけたり、あきらめたりしません。苦境に追い込まれても、失敗をおそれず、試練に立ち向かい、コツコツと努力を積み重ねていきます。
心理学用語で「レジリエンス」というものがありますが、このレジリエンスが築かれている状態が「しなやかマインドセット」ですね。
ちなみに、
アメリカ心理学会は、以下の「レジリエンスを築く10の方法」を提唱しています。
- 親戚や友人らと良好な関係を維持する。
- 危機やストレスに満ちた出来事でも、それを耐え難い問題として見ないようにする。
- 変えられない状況を受容する。
- 現実的な目標を立て、それに向かって進む。
- 不利な状況であっても、決断し行動する。
- 損失を出した闘いの後には、自己発見の機会を探す。
- 自信を深める。
- 長期的な視点を保ち、より広範な状況でストレスの多い出来事を検討する。
- 希望的な見通しを維持し、良いことを期待し、希望を視覚化する。
- 心と体をケアし、定期的に運動し、己のニーズと気持ちに注意を払う。
「しなやかマインドセット」の人を増やしていきたいなと、本日この記事を書きながら決意を新たにしました。